ジュートとは?素材の特徴から繊維の作り方まで詳しく解説
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おしゃれでエコなアイテムとして人気のジュートバッグ。
最近では、無印良品でも取り扱っているので
誰でも低価格で購入することができるようになりましたね。
一度は目にして触れたことがあるであろうジュート製品。
そのジュートとは、どんな素材なのでしょうか。
ここでは、素材の特徴や栽培方法、繊維の作り方まで
詳しく紹介していきますね。
1.ジュートとは何か?
ジュートとは、黄麻(こうま)という植物から作られる繊維のことです。
原産地により呼び方が異なり、バングラデシュではジュート、
インドではインド麻、中国では黄麻(こうま)と呼ばれています。
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2.ジュートと麻の違いは?
麻とは、植物から作られる繊維の総称です。
麻の種類は20近くあり原料となる植物によって特徴が全く異なります。
例えば、亜麻(あま)という植物から作られるリネンは、
優しい風合いでチクチクしないため、
直接肌に触れるアイテムに使用されることが多いです。
苧麻(ちょま)という植物から作られるラミーは、
ややチクチクしますが繊維が太く丈夫なため
繰り返し洗濯するようなアイテムに使用されます。
また、上質な光沢感も特徴です。
たまに「ジュートと麻の違いって何?」というご質問をいただきますが、
麻にはいろいろな種類があり、ジュートも麻の一種ということになります。
3.ジュートの主な生産地
ジュートの栽培には、高温多湿の環境で湿潤な土壌が必要です。
また、ジュートの茎を水に浸して発酵させて繊維を採取するため、
大量の水も必要になります。
上記の条件から、ジュートは熱帯、亜熱帯地域のインドやバングラデシュで
主に生産されています。
かつては日本の九州でも栽培されていたそうです。
4.ジュートの栽培方法と繊維になるまで
ジュートは種をまいてから100日ほどで2~3mの高さまで成長し、
花が咲いた後、丸い実がつきます。
2~5月頃までに種をまき、6~9月頃に刈り取りを行うのが一般的です。
刈り取りの時期によって繊維の質が変わり、花が咲き終わり散る時期に
刈り取ったものが最も良質なジュートの繊維が採取できると言われています。
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刈り取ったジュートの茎は、1~2週間ほど水に浸して発酵させ、
1本ずつ手で外側の皮を剥がしていきます。
さらに水で洗いながら不純物を取り除き、乾燥させるとジュートという繊維になります。
5.ジュート素材の特徴
ジュートは天然繊維の中でも耐久性に優れています。
また、通気性に優れていて、水分の吸収、放出が早いのが特徴です。
<メリット>
- 耐久性に優れている
- 通気性に優れている
- 吸湿性が高い
- 保湿性が高い
- 寸法の安定性に優れている(伸縮しにくい)
<デメリット>
- 独特のにおいがある
- チクチクする
- 直射日光に長時間さらされると劣化する
- 洗濯できないことが多い
ジュートは自然素材なので、燃やしても有害物質を発生しませんし、
埋めればバクテリアによって分解され、土に還ります。
さらに、ジュートの成長過程で行われる光合成では、
他の植物の5~6倍の二酸化炭素を吸収するので、
地球温暖化の防止にもつながるそうです。
地球環境に優しいエコな素材と言えます。
6.ジュートは何に使われる?
さきほど説明したとおりジュートは丈夫で伸びにくく軽いという特徴があるため、
農作物を保管するための麻袋や結束に使うロープとして使用されてきました。
現代では、ラグ、カーテンなどのインテリア用品や、サンダルやトートバッグなど
ファッションアイテムにも使用されています。
7.ジュート製品のお手入れ方法
ジュートは、汚れや匂いが付きにくい素材なので、あまり洗う必要はありません。
部分的な汚れなら、乾拭き、または湿った布で優しく叩いて汚れを落とし、
日陰干ししてください。
洗濯すると、摩擦によって毛羽だったり、シワができて
元に戻らなくなってしまうこともあるのでオススメできません。
どうしても洗いたい場合は、プロにまかせましょう。
8.ジュートバッグおすすめ3選
トートバッグ工房でもジュート素材のバッグを取り扱っていますので人気商品をご紹介!
無地でも販売していますが、シルクスクリーン印刷も可能です。
9.まとめ
ジュートという素材について、このページから少しでも分かっていただけたら嬉しいです。
環境に優しい自然素材として注目されているジュート。
先程、紹介した商品以外にも取り扱っていますので、ぜひご覧ください。
この記事を監修してくれた「トートバッグ博士」
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山本 禎久(やまもと よしひさ)
株式会社エーリンクサービス 代表取締役
昭和48年生まれ 福井県越前市出身
趣味は山登りとゴルフ、好きなトートバッグのカタチは「船底クラシックトートバッグ」。
スピードと挑戦を求め続け、社内で誰よりもトートバッグに見識がある。
大阪学院大学を卒業後、営業、物流、製造業務など多くの職種に従事。退職後、2009年に販促バッグ等の製造、輸入、販売を手掛ける株式会社エーリンクサービスを設立。『考える価値創造集団』を経営理念に掲げ、従業員一人ひとりが積極的に考え、行動することでトートバッグ専門店としての新サービスを企画・発信し続けている。
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