トートバッグに刺繍をするには?刺繍の特徴、種類から印刷との違いをご紹介。
こんにちは!トートバッグ工房です。
身近なアイテムであるトートバッグ。
さまざまなデザインや加工がされたものが世の中に溢れており、
使用用途も幅広いですね。
また、ノベルティや展示会、記念品を入れるものとして、
印刷、刺繍、缶バッジ、ボタン…など
シーンやおしゃれに合わせた加工や装飾がされています。
普段、使用しているトートバッグにはどんな工夫をされてますか?
私の周りでは、印刷や飾りボタンをよく目にします。
今回は、数ある中から刺繍について深堀りしていきたいと思います!
1.刺繍とは?
まず、刺繍(ししゅう)とは何なのか?
さまざまな布地や素材に針と糸を使い絵や模様などの装飾を施す技術のことです。
英語では「embroidery(エンブロイダリー)」と呼ばれ、
編物やレースなどの手芸と総称されます。
世界中で知られており、古くから人々の生活に彩りを添えています。
では、いつから広く普及されるようになったのでしょうか?
正確な起源は不明ですが、刺繍の歴史は古いものだと言われています。
エジプトのピラミッドからビーズ刺繍を行った布が
発見されたこともあり、文化とも深いつながりがあるようです。
日本の刺繍は5世紀ごろインドから中国を経由して伝えられた
「繍仏(ぬいぼとけ)」が起源だといわれています。
繍仏とは、刺繍で仏像を表現するもので、
仏教が伝来するとともに数多く作成されるようになりました。
17世紀移行になると一般的な衣服への装飾表現の一つとして
刺繍入りの着物が町人階級にも普及されていきました。
現代も洋服や小物など
さまざまなアイテムに刺繍が施されているのを目にしますね。
このように国や文化によって、
たくさんのバリエーションが生まれ、広まっていたようです。
歴史が古く、現代にも受け継がれる刺繍は1つ1つ手作業で
製作しているイメージも強くあるのではないでしょうか?
初心者でも始めやすいキットや絵が不得意であっても
刺繍なら図案に沿って簡単に製作できたり、誰にでも楽しめるようになってます。
最近では、没入(イマ―シブ)な体験ができると
若い世代でも熱中できるアクティビティとして人気だそうで、
幅広い年代層に親しまれています。
2.刺繍のメリット・デメリット
そんな、歴史の長い刺繍のメリット・デメリットをみていきましょう。
メリット
耐久性が高い
布地に糸を縫い付けるため、加工部分があっても洗濯でき、
摩擦に強く非常に丈夫です。
仕上がりが立体的で独自の風合いがある
印刷では表現できない細かなディテールやニュアンスを表すことができます。
特別感や高級感を演出することもでき、
高級ブランドやプロスポーツの世界などでもよく使用されています。
また経年劣化による味わいも楽しめます。
アイロンがけができる
糸の素材にもよりますが、デザインが変形したり、
剥がれたりする恐れが少ないです。
リラックス効果
手作業で行う場合、脳の緊張状態が軽減され、
リラックス効果が得られるとされています。
デメリット
生地に負担がかかる
直接針で穴をあけて糸を通すため、生地に負担がかかってしまいます。
生地が薄い、伸縮性のある場合は不向きです。
大きすぎる柄や細かい文字などは、
生地がひっぱられたりひだになってしまう可能性があります。
表現の限界
糸の色で制限がかかってしまい、自由にデザインできない場合がでてきます。
小さすぎたり、複雑で細かい刺繍だと
難しかったり、潰れてしまうかもしれません。
コストが高くなってしまう
業者に製作をお願いすると、使用する糸の量、
デザインの大きさや複雑さなどにより価格が変動してしまいます。
また、加工に手間がかかるため、仕上がりまでに時間がかかってしまいます。
3.刺繍の種類
大まかにわけて、人の手で行う手刺繍と
剣山状の針を使って布に糸を埋め込むパンチニードル、
機械を使用する機会刺繍、とがあります。いくつか見ていきましょう。
ヨーロッパ刺繍
ヨーロッパ各地で刺されていた刺繍の総称になり、
種類は100種類以上あると言われています。
糸色の組み合わせとステッチの使い方で、繊細なものからラフなものまで
幅広い表現ができ、他にはない華やかさが特徴的です。
リボン刺繍
名前の通り刺繍糸ではなくリボンを使って刺繍を施します。
リボンの種類や刺し方の技法によって糸で作りだすものとはまた違った、
立体感のある表現ができる刺繍です。
ビーズ刺繍
布地にビーズやスパンコールを刺繍して装飾する方法のことです。
デザインによっては天然石を使用することもあり、
豪華な雰囲気の仕上がりになります。表現の幅が広がります。
クロスステッチ
メジャーな刺繍方法で、
糸を交差させながら「×」のカタチに刺していく方法です。
基本的なステッチのひとつで、面を埋めるときに良く使われます。
図案通りに正確に刺していけば簡単に仕上げることができます。
パンチニードル
ニードルパンチとも呼ばれ、布地に対して糸を通した専用の針を使い
プスプスと刺繍糸や毛糸などを刺していく方法です。
イラストを描くように作成できるので、初心者さんでも簡単にはじめられます。
機械刺繍
ミシンなどの機械を使い布地に絵や文字、模様などを縫い表します。
刺繍専門に作られた刺繍機があり、「家庭用」「職業用」「工業用」の
3つにわけられます。
家庭用刺繍ミシンでは刺繍範囲が狭く、セットできる枠の種類も限られます。
デザインが大きかったり、
大ロットでの製作は業者にお願いするのがよさそうです。
いくつかご紹介しましたが、まだまだ種類がたくさんあります。
ロゴや文字、モチーフなど
作りたいデザインの雰囲気に合ったものが見つかるはず!
4.縫い方の種類
刺繍は縫い方によっても、雰囲気が変わります。
縫い方を調べているとよく目にする「ステッチ」という言葉があります。
縫製についてもよくステッチは使われてたりしますね。
刺繍の場合も同じで、「ステッチ」は「縫い目」のことを意味します。
では、刺繍の基本的なステッチの中から3つご紹介します。
サテンステッチ
サテン生地のようなツヤが特徴的なことからサテンステッチと呼ばれています。
狭い面積やツヤのある綺麗な仕上がりにしたいときに用いられる
ベーシックな縫い方です。
とる糸の本数で変化を持たせることができ、
1本:シンプルな仕上がり
4本:立体感がある仕上がり
になります。
タタミステッチ
ミシン刺繍をしている方にはなじみがあるのではないでしょうか。
細かなステッチで面を埋めていきます。
サテンとは異なり面が大きいものはタタミステッチになります。
模様を描く用途よりも土台としての役割が多く、強度と耐久性が高いです。
他のステッチと比べてほつれにくいとされています。
ランニングステッチ
ランニングステッチは、主に輪郭線を刺すときに使用します。
並縫いのように、等間隔で布地の表裏から交互に針を出し入れします。
単純な線を刺すだけではなく、
組み合わせによってさまざまな模様が表現できます。
5.刺繍におすすめなトートバッグの素材
刺繍の特徴や種類をみてきましたが、
トートバッグに刺繍をしようと思っても生地の種類にはさまざまなものがあり、
どんな素材にできるのか、やりやすいのかわからないですよね。
刺繍をしやすい布の特徴は3つあります。
- 伸縮しない
- 目が細かく、均等である
- 厚すぎず、薄すぎない
この3つがないと、よれてしまったり縫い目がずれてしまったり、
よれやすくなってしまい仕上がりがきれいになりません。
トートバッグの素材ではキャンバスやコットン、リネン、フェルトがおすすめです。
刺繍糸とも相性がよいので、初心者でも扱いやすく、針も通りやすいです。
他にも、ジュートバッグのアレンジに刺繍することも流行しているようです。
織り目が粗く、生地自体が固いため固定しなくともそのまま刺繍できます。
トートバッグ工房で取り扱いしています!
この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか?
また、記念品やノベルティなどで配布したいなど数量が多い場合などは
手作業よりも業者に依頼する方法もあります。
トートバッグ工房では「ネーム刺繍」「オリジナル刺繍」のサービスをしています。
ネーム刺繍
ネーム刺繍であれば、安価に刺繍できますよ。
記念日や会社、団体の名入れをしたい場合におすすめです。
オリジナル刺繍
記念品を入れるバッグに
ライブやイベントなどのオリジナルグッズ製作にいかがでしょうか?
ワンポイントにイラストやロゴを刺繍したい場合はオリジナル刺繍がおすすめです。
6.刺繍と印刷(プリント)の違いとは?
刺繍のメリットとデメリットはお話しましたが、印刷との違いって何でしょう?
違い…思い浮かぶイメージは何ですか?
針とインクの使用する道具でしょうか。
使う道具、施す方法が違いますので、仕上がりの印象大きく変わってきますよね。
そんな2つを違いをみていきましょう。
耐久性
刺繍:高い。色褪せや剥がれが起きにくいため、長期間使用するのに向いている。
印刷:低い。インクを使用してるため、ひび割れや剥がれが生じる場合がある。
デザインの再現性
刺繍:糸や縫い方の特性で多少のばらつきがある。
バッグ色に左右されずに発色。
印刷:デザインそのままに印刷が可能。
バッグ色によって印刷色が沈んでしまう場合がある。
仕上がり
刺繍:立体的で高級感がある。
印刷:平面的でカジュアル感がある。
選ばれる理由
刺繍:印刷にはない風合い、高級感を出したい。
印刷:予算や時間をあまりかけずに、たくさん生産したい。
コスト
刺繍:デザインによって高くなる場合がある。
印刷:安価にできる。
それぞれの良さがありどちらにしようか迷われている方も多いと思いますが、
どのような仕上がりにしたいかがやはり大事になります。
7.まとめ
今回の記事では刺繍の特徴、種類や
おすすめのトートバッグ素材、印刷との違いについてご紹介しました。
刺繍は、特別感・高級感を演出したいときにおすすめの加工です。
オリジナルトートバッグを作成する時の参考にしてみてください。
トートバッグ工房では、
「ネーム刺繍」、「オリジナル刺繍」のサービスを承っております。
ぜひご利用くださいませ。
この記事を監修してくれた「トートバッグ博士」
山本 禎久(やまもと よしひさ)
株式会社エーリンクサービス 代表取締役
昭和48年生まれ 福井県越前市出身
趣味は山登りとゴルフ、好きなトートバッグのカタチは「船底クラシックトートバッグ」。
スピードと挑戦を求め続け、社内で誰よりもトートバッグに見識がある。
大阪学院大学を卒業後、営業、物流、製造業務など多くの職種に従事。退職後、2009年に販促バッグ等の製造、輸入、販売を手掛ける株式会社エーリンクサービスを設立。『考える価値創造集団』を経営理念に掲げ、従業員一人ひとりが積極的に考え、行動することでトートバッグ専門店としての新サービスを企画・発信し続けている。
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