バッグ作りにおすすめの生地とは?種類別の特徴や裏地選びのポイント
こんにちは!トートバッグ工房です。
私ごとですが、先日当店で販売している生地に
オリジナルデザインを印刷しました!
キレイに仕上がっており、とても満足しています。
次はこの生地を使用して、巾着袋を自作してみようかなと模索中です。
2020年からのレジ袋有料化により、
買い物にエコバッグを持参する習慣が広がりましたが、
最近ではエコバッグを自作する方も多いようです。
お子様の入園・入学グッズに、
バッグや巾着を作られる方もいらっしゃいますよね。
でも「いざ作ろう!」と思っても、
たくさん種類のある生地の中から何を選べばいいか分からない…
と悩んだ経験はないでしょうか?
毎日バッグに触れている私たちが皆さんのお役に立てるよう、
生地選びに重要となる繊維や織り方の解説など、
バッグ作りにおすすめの生地をご紹介!
もちろんバッグの手作りだけでなく、
選ぶ際に知っておくと便利な内容も盛りだくさんなので、
ぜひ最後までご覧くださいね!
1.生地の素材となる繊維の種類
生地の素材となる繊維は、
大きく
「天然繊維」と「化学繊維」の2種類に分けられます。
この繊維(素材)を何にするかで、大きく雰囲気が変わってきます。
細かく分けていくと、天然繊維にも主原料によって
植物繊維・動物繊維・鉱物繊維に分類されます。
化学繊維は、無機質繊維・有機質繊維に分けられ、
有機質繊維のものはさらに原料や製造工程によって、
合成繊維・半合成繊維、再生繊維に分類されます。
種類はたくさんあるのですが、良く使用されている
身近なものを一部ご紹介したいと思います。
天然繊維
天然繊維とはその名前のとおり、人工的に作られていない
自然界にあるものでつくられた繊維です。
主原料が天然素材なので、
敏感肌の方でも安心して身につけることができます。
それぞれどのような特徴があるのか詳しくみていきましょう。
コットン(綿):植物繊維
吸水性に優れ、柔らかな肌触りです。
Tシャツやトートバッグなど幅広く使用されているほか、
汗をよく吸うことから肌着やハンカチなどにも使用されます。
染色の際もキレイな発色に仕上がりやすく、
おまけに熱にも強いのでアイロンがけもしやすいですよ。
ただ、吸水性が高い反面、カビが発生しやすいというデメリットも…。
変色の恐れもあるので、乾かすときは直射日光を避け、
風通しの良い場所で干しましょう。
ちなみに当店のトートバッグや巾着袋の中でも、
コットン製は人気が高めです。
リネン(麻):植物繊維
柔らかくしなやかな風合いです。
繊維の真ん中に空洞があり、通気性が良いのが特徴的。
吸湿性・速乾性にも優れ、夏の素材として多く使用されていますが、
実は保温性にも優れているので、
年中向きの幅広いアイテムに使われています。
縮みやすい性質があるので、お洗濯の際はご注意を!
やさしく手洗いするのががおすすめです。
シルク(絹):動物繊維
蚕(かいこ)の繭(まゆ)から取れる繊維です。
他の繊維に比べて特にきめ細かく、肌触りが良いことから、
高級素材として扱われています。
保湿性・保温性・発散性に優れ、
夏は涼しく、冬は暖かいというメリットも◎。
独特の光沢が特徴で、高級感を演出してくれます。
紫外線を吸収する力が強く、
黄色く変色しやすいため、
直射日光や蛍光灯の当たらない場所で保管するようにしましょう。
ウール:動物繊維
羊毛を加工した繊維です。
毛が絡み合っており、その中に熱を保つことができるだけでなく、
その温かさを保ったまま湿気だけを逃がしてくれます。
セーターや毛布など冬によく目にしますが、
撥水性に優れ汚れにくいという特徴もあるため、
カーペットなどにも幅広く使われています。
抗菌・防臭効果もあるので、
匂いが気になる方にもおすすめ。
縮みやすい、毛玉ができやすい、虫に食われやすい
というデメリットがあります。
化学繊維
石油などから化学的な手段を用いて、人工的につくられた繊維を指します。
冷感や発熱など加工できる機能がバラエティに富んでおり、
大量生産もできるため、天然繊維と比べてコストを抑えることができます。
レーヨン:再生繊維
シルク(絹)を目標に作り出された素材で、
紙と同じ木材パルプが原料です。
吸湿性、吸水性に優れており、
かつ染色もしやすいので発色が良いです。
レーヨンの特徴は、
何といっても優れたドレープ性でシルエットがキレイなこと。
しかし、水には弱く、濡れると縮んだりシワになったりしやすいので
注意が必要です。
ナイロン:合成繊維
石油を主原料とする、世界で初めて開発された化学繊維です。
とても摩擦に強く、その強度は綿の約10倍と言われるほど。
伸縮性があり、伸度はポリエステルより優れています。
シワになりにくい、カビや虫害の影響を受けにくい、
比較的燃えにくいなどのメリットがある一方、
熱には弱く、吸湿性も低いといったデメリットも。
ポリエステル:合成繊維
世界で最も多く生産されている化学繊維で、
主にペットボトルと同じ原料で作られています。
とにかく丈夫で縮みや型崩れが起きにくく、
熱に強いのが特徴的。
虫害の影響も受けにくく、耐久性も高いので、
あらゆる面で優れた特性を持ち合わせています。
デメリットとして、吸湿性が低い、静電気が発生しやすい、
毛玉ができやすいなどがあります。
エコバッグとして人気があるのはやはりナイロン・ポリエステル製です!
コンパクトに収納できる機能があるものも多く、
持ち運びのしやすさからも選ばれています。
2.生地の三原組織(さんげんそしき)
みなさんは、生地の織り方によって機能や見え方が変わってくるのをご存知でしたか?
生地の織り方には
「平織り」「綾織り」「繻子織り(しゅすおり)」の3種類があり、
これを三原組織(さんげんそしき)と言います。
平織り(ひらおり)
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を1本ずつ交差させて作られる、
三原組織の中では最も単純な織り方で、
英語では「Plain weave(プレーンウィーブ)」と言います。
伸縮性はないものの、とても頑丈で摩擦に強く、通気性が良いのが特徴です。
綾織り(あやおり)
経糸(たていと)を2本または3本浮かせ、
緯糸(よこいと)を1本くぐらせる織り方です。
糸の交差部分に斜めの線が入って見える、やわらかい風合いです。
別名「斜文織り(しゃもんおり)」とも呼ばれ、
英語では「Twill weave(ツイルウィーブ)」と言います。
この「ツイル」という言葉を聞いたことはありませんか?
生地の名前だと思われがちですが、
実はツイルとは織り方の名前なんです。
平織りに比べると摩擦には弱いですが、
光沢感があって柔らかい仕上がりです。
伸縮性にも優れているので、比較的シワになりにくいです。
ちなみに大手アパレルショップのUNIQLOさんやBEAMSさんでも、
ツイルを使用したパンツやジャケット商品が販売されているので、
どんなものか認識していなくても
知らない間に
ツイル商品を身に着けているかもしれませんよ。
(私はそうでした!笑)
繻子織り(しゅすおり)
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の交差する点をなるべく目立たないよう、
どちらかの糸を長く浮かせた織り方です。
「朱子織り(しゅすおり)」とも表記し、
英語では「Satin weave(サテンウィーブ)」と言います。
「サテン」も何となく耳にしたことがありませんか?
これも生地の名前ではなく織り方の名前なんですよ。
光沢感があり、肌触りがなめらかで滑りもいいのが特徴です。
しかし、交差する点が少ないため、
摩擦や引っかかりには弱いです。
サテンは高級スーツの裏地や、
意外なものだとスカジャンにも使用されていたりします。
ツイルと同じく、織り方の認識はなくとも、
一度は目にしている人も多いのではないでしょうか。
3.生地選びのポイント
本に書かれてある素材と同じものを買ったのに、風合いが違ったり、
洗濯して縮んだりなど、生地選びで失敗したという方もよくある話です。
ひとくくりに生地と言っても、素材によって性質が違うものがあるんです。
生地の厚さ
生地の厚さは、糸の太さや繊維の種類、織る際の密度などによって変わってきます。
生地によって厚みを表す単位も違うので、必ずチェックしましょう。
例えば、代表的な「oz(オンス)」は、
キャンバス生地などでよく見かける単位ですよね。
また、ナイロンやポリエステル生地の単位は「D(デニール)」など。
これらは数字が大きいほど厚みがありますが、
帆布生地で使用されている「号」という単位は逆で、
数字が小さいほど厚みがあるんです。
このように、厚みで選ぶ際は単位に注目してみてくださいね。
素材と織り方の性質
これまで生地の素材となる繊維と織り方についてご説明しました。
通気性がいいもの、光沢があるもの、摩擦に強いもの…など、
素材と織り方でかなり機能性や見え方が変わってくることが
お分かりいただけたのではないでしょうか。
エコバッグには汚れにくいもの、
アウトドアには伸縮性のあるもの、
夏には涼しげなものなど、
季節やシーンに合わせて選んでみてくださいね。
4.バッグで良く使用される生地の種類
前置きが長くなってしまいましたが、
いよいよバッグ作りにおすすめの生地について解説していきましょう!
シーチング
代表的な平織り生地です。
もともと敷布用として作られており、
その名のとおり「シーツ」が名前の由来となっています。
リネンなどもありますが素材の多くはコットンで、
織りの密度が低い、通気性が良い、値段が手ごろなどといった特徴があります。
薄地なので初心者の方でも扱いやすい反面、
強度はあまりないのでくれぐれもご注意を。
縮みを防ぐため最初は水通しが必要であること、
さらに直射日光による変色にも気を付けましょう。
用途としてはエコバッグ・ポーチ・巾着袋などのアイテム、
バッグの裏地としての使用がおすすめです。
ちなみに当店のコットンバッグで人気の高い
「コロリドA4サイズコットンバッグ」
にもシーチングが使用されています。
ブロード
「ポプリン」とも呼ばれ、昔はウール素材を指していましたが、
現在ではコットン素材のものがほとんど。
生地面に細かな横畝(よこうね)のある平織り生地です。
※畝:生地の表面にある凸凹のこと
高密度に織られているため、耐久性に優れており、
なめらかな肌触りと上品な光沢感が最大の特徴です。
薄地でありながらもハリはあるので、比較的初心者でも扱いやすい生地です。
シワになりやすいものの、
熱には強いのでアイロン使用も可能。
直射日光による変色には注意をしましょう。
用途としては、エコバッグ・巾着袋やあづま袋などにおすすめです。
あづま袋とは?
2枚の布を縫い合わせるだけでできる袋のことで、
別名「みゆき袋」とも言われています。
簡単に作れるので初心者の方にもおすすめ。
小さく折りたたんで持ち運べるので、
エコバッグにも最適です。
オックスフォード
「オックス」と呼ばれ、
ボタンダウンシャツによく用いられる平織り生地です。
シーチングやブロードよりも少し厚みがありますが、
しなやかな肌触りや優れた通気性、上品な光沢感などが特徴的。
縮みやすいので最初は水通しが必要ですが、
シワにはなりにくい素材です。
入園・入学グッズにもよく使用されていて、
体操着入れやコップ入れなどの巾着袋、
ランチバッグなどにおすすめです。初心者でも扱いやすいでしょう。
キャンバス・帆布
綿や麻で織られた平織りの厚手生地のことを指します。
「帆布」は日本製のキャンバス生地に、
「キャンバス」は海外製のキャンバス生地に
よく用いられています。
厚みによって風合いは大きく変わるものの、
使い込むほど変化が楽しめる生地です。
糸の間に隙間があるので通気性にも優れていますが、
水は通しにくいので、雨でも使用できます。
キャンバス・帆布は天然素材なので、直射日光による変色には要注意!
お洗濯をする場合は、手洗いの方が安心でしょう。
厚めのものであればトートバッグやショルダーバッグに、
薄めのものであればポーチや巾着袋におすすめです。
帆布で6号や8号ほどの厚みがあると、
家庭用ミシン・手縫いでは縫製が難しくなるので、
厚みのチェックをお忘れなく。
デニム
デニムは皆さんジーンズなどで身近な生地ではないでしょうか。
経糸(たていと)に色糸(インディゴ色など)を、
緯糸(よこいと)に白色の糸を使用した綾織り生地です。
コットンが主流で、通気性が良いのが特徴です。
丈夫で長持ちすることから、昔は労働者の作業服として使われていたほど。
時間とともに風合いの変化を楽しめるのも魅力ですが、
色落ちや色移りしやすいのがデメリット。
特に、雨の日や汗をかく夏の時期は使用を控えた方が良さそうです。
また、糸のより方向によって「右綾織り」と「左綾織り」があり、
一般的な「右綾織り」は伸縮性がないものの硬めで丈夫なつくり、
「左綾織り」になるとしなやかですが、色落ちがしやすい面があります。
ちなみに、スキニーなどで使用されているストレッチデニムは、
綿素材に伸縮性のあるポリウレタンを混合させて作られたもの。
素材の種類や織りの方向によって特徴が違ってくるので、
製作するものに合わせて選んでください。
用途としては、
トートバッグやサコッシュなどのショルダーバッグなどがおすすめです。
カツラギ(葛城)
太い糸を使用した厚手の綾織り生地です。
風合いはデニムに似ていますが、
糸の太さと染め方が異なります。
デニムは生地になる前に染色される先染めに対し、
カツラギは生地として出来上がってから染色される後染めです。
糸が太いので丈夫で強度がありますが、
帆布ほどハリはなく、柔らかな印象です。
デニムと似ているのでジーンズのほか、
火に強いのでエプロンなどにも使用されます。
店頭で見かけることは少ないかもしれませんが、
用途としてはトートバッグや大きな巾着袋に適しているでしょう。
5.用途やシーン別おすすめ生地の紹介
エコバッグ
人気の高いエコバッグ。
一般的にはナイロン素材・ポリエステル素材のものが多いですが、
他にも下記のような生地がおすすめです。
ローン
なめらかな肌触りと上品な透け感が特徴の、
薄い平織り生地です。
主に女性もののシャツなどに使用されます。
薄くて軽い生地ではありますが、適度にハリもあります。
きめ細かく繊細な生地ですので、
重いものの持ち運び、摩擦には注意が必要です。
お洗濯の際は、手洗いするか必ず洗濯ネットに入れてくださいね。
タイプライター
細い糸で高密度に織られた平織り生地です。
カジュアルなシャツやジャケットによく使用されています。
独特な風合いをしていて、
肌ざわりが良く上品な光沢感があります。
高密度に織られているためハリがあって、耐久性もバッチリ。
軽くて清涼感も持ち合わせていることから、夏におすすめの生地です。
ナチュラルなシワ感も出て、カジュアルな雰囲気にも◎。
なるべく洗濯ネットに入れてお洗濯しましょう。
レッスンバッグ
キルティング
レッスンバッグの定番生地である、キルティング。
2枚の生地に綿や羽毛などを入れてステッチで縫い抑えた生地です。
キルティングは、厳密に言うと素材ではなく“手芸の技法”。
もともと寒い地域で生み出された生地で、
保温性に優れています。
また、生地を2枚使用しているので、
1枚だけの生地よりも丈夫で長持ち。
中に綿などを詰め込んでいて、軽い仕上がりになっています。
その反面、水に濡れると乾くのに時間がかかる面も。
バッグから巾着などの小物まで幅広く活用でき、
初心者にも扱いやすいのでぜひチャレンジしてみてください。
ダンガリー
ダンガリーは、シャツに使用されることが多く、
デニムとよく似た綾織り生地です。
しかし、デニムと違って少し薄手で、
かつ
緯糸(よこいと)に色糸を、
経糸(たていと)に白色の糸を使用してことから、
奥行きのある色ムラが特徴的です。
粗めの糸を使用しているので、ざっくりとした風合いと丈夫さが魅力。
ダンガリーもデニムと同様、経年変化が楽しめますよ。
また、軽いのでお子様でも使いやすい生地になっています。
アウトドアやスポーツに
よく体操着などに使用されるジャージやスウェット。
これらは素材ではなく生地の名称で、編み物になります。
その他ではこんな生地もおすすめですよ。
コーデュラナイロン
最近、女性にも人気急上昇中のワークマンさんでも、
コーデュラ素材のグッズがたくさん発売されているそうです。
最大の特徴は、何と言っても強度・耐久性に優れていること!
摩擦などにも強く、過酷な環境下にぴったりなんです。
一見すると重いイメージがありますが、ナイロンなので実は軽いんです。
また、生地の厚さによってかなり雰囲気が変わる魅力的な素材でもあります。
厚いものはとにかく頑丈でがっしりした風合いに、
軽めのものであれば、軽くしなやかな風合いになりますよ。
コーデュラは撥水加工がされているものも多くありますが、
洗濯しすぎると加水分解を起こして、
撥水性が低下する恐れがあるので、
お洗濯の際は注意しましょう。購入前にしっかりチェックしてくださいね。
チノクロス
「チノパン」という言葉で耳馴染みのある方も多いはず。
チノパンに使用されているのも、このチノクロスという綾織り生地
になります。
もともと軍服や作業着に使用されていて、丈夫なつくり。
見た目はやや光沢感があり、肌触りも良いです。
コットン素材のものが主流ですが、
ポリウレタン入りで伸縮性に優れたものもあります。
お洗濯の際は、色落ちしないように注意してくださいね。
ウェザークロス
「Weather(ウェザー)」という名のとおり、
雨など悪天候でも使用できる耐水性のある平織り生地です。
チノクロスと同じく、もともと軍用として開発されたものなので、
軽くて丈夫!
高密度に織られているので、ハリやコシもあります。
一般的にはポリエステル65%、綿35%の混紡で織られていますが、
よりファッション性を追求し、他の素材を使用した種類もあります。
高級感を出したいとき
ヘリンボーン
「右綾織り」と「左綾織り」を交互に組み合わせているため、
V字型の模様になっている生地です。
私がよく利用するユニクロさんでもよく見かけるヘリンボーン。
魚のニシン (herring) の骨 (bone) に似ていることで付いた名前なんですよ。
(この仕事をするまで知りませんでした…)
丈夫かつ、しなやかさを兼ね備えています。
綾織りの特徴である上品な光沢感があり、
スーツなどに用いられることも多いでしょう。
また、シワになりにくいのも嬉しいポイント。
摩擦には弱いので、お洗濯の際は手洗いがおすすめです。
ジャガード
一般的には、生地が出来上がった後にデザインをプリントしますが、
ジャガードは模様が直接生地に織り込まれている織物のことを言います。
そのため、生地に立体感と高級感が生まれます。
色あせ・色落ちなどの心配もありませんし、
生地に厚みが出ることから、しっかりとした風合いに仕上がります。
手間がかかっている分、どうしてもコストは上がってしまいがちですが、
実はタオルに使用されていることが多く、
意外と私たちの身近にあるものだったりします。
皆さんもお家の中にないか探してみてください。
タフタ
最近は化学繊維のものも多くなってきましたが、タフタとは主に
シルク(絹)素材が使用された平織り生地のことを指します。
わずかに細い横畝が見られるのが特徴で、
ウェディングドレスなどにも使用されるほどの高級生地なんです…!
独特なハリ感・ツヤ感と光沢感があり、
薄手ながらもしっかりと丈夫な生地。
当然のことながら、シルク素材のものはコストがグンと跳ね上がります。
また、素材によってはお手入れが難しいのでご注意ください。
季節に合わせたいとき
PVC(ラミネート)
近頃、PVC素材のファッションアイテムが増えてきましたね。
表面が硬く、ツルツルしているのが特徴で、
その透明感から夏におすすめの生地です。
防水性・耐久性に優れ、汚れや水にも強いのでお手入れが簡単。
しかし、ビニール生地そのままでは
通気性や柔軟性が低く、縫製が難しいところ。
コットン素材などの上からPVC素材を貼り合わせるラミネート加工
が施された生地であれば、
そのメリットを生かしたまま縫製することができるので、
ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。
シャンブレー
経糸(たていと)に色糸を、
緯糸(よこいと)に白色の糸を使用しているため
デニムとよく似ていますが、
シャンブレーは綾織りではなく平織り生地になります。
素材はコットンが使われることが多いでしょう。
生地の表面に糸が見え、霜降り状のムラがあるのが特徴です。
玉虫色のような光沢があり、デニムにはない華やかさも演出できます。
上品になりすぎず、ナチュラルな印象に仕上がります。
見た目も涼しげで軽いシャンブレーは春夏におすすめですよ。
また、平織りなので丈夫で通気性に優れているのもポイント。
デニムと同じように色落ち・色移りする可能性があるので、
お洗濯には十分気をつけてください。
サッカー(しじら織り)
収縮率の違うタテ糸を組み合わせて平織りし、
凹凸(しじら、しぼ)を出した生地です。
凸凹がある分肌に張り付かず、
軽くて通気性もよいので、さらりとしたい夏にぴったりの生地です。
放湿性に優れていて、熱や湿気も逃がしてくれます。
シワになりにくいという特徴からアイロンがけは基本的に不要ですが、
もしアイロンがけをする場合は
表面の立体感をつぶさないよう注意が必要です。
コーデュロイ(コール天)
パイル織りという、パイル糸を使用した織物です。
平織りか綾織りにパイルという輪を作る織り方になります。
コーデュロイの特徴と言えば、やはり表面の畝(うね)。
この畝によって空気を蓄えることができるため、
保湿性、吸湿性に優れているんです。
生地自体が暖かいので秋冬におすすめですが、
摩擦に弱いのがデメリット。
また、ホコリが溜まりやすく
羽毛が崩れたりしやすいので、
こまめにお手入れをしましょう。
よく似た生地として挙げられる、
ベルベット・ベロア・別珍(ベッチン)なども
おすすめですよ。
フランネル
毛糸のように太く短い「紡毛(ぼうもう)糸」を使用し、
縮絨(しゅくじゅう)した毛織物です。
※縮絨:毛端を絡ませてフェルト状にすること。
フランネルは平織り・綾織りのどちらかしかありません。
表面が起毛しているので、保温、保湿性に優れており、
秋冬におすすめの生地です。
摩擦には弱く、毛玉ができやすいので、お手入れには要注意!
柔軟性、弾力性にも優れているだけでなく、
型崩れやシワができる心配もほぼありません。
6.バッグの裏地におすすめの生地は?
バッグ作りをする時は、裏地の重要性も忘れてはいけません。
裏地を付けることでバッグが丈夫になり、
長持ちする度合いも変わってくるからです。
ここからは、バッグの裏地におすすめの生地をご紹介しましょう。
コットン
裏地用として定番の生地である、コットン。
縫いやすいので、初めてトートバッグを手作りする人にもおすすめです。
平織りでしっかりしていて、何にでも使える優れもの。裏地選びに迷ったら、
無難で使いやすいコットンが安心でしょう。
綿ポリソフトダンガリー
綿とポリエステルが混ざっている生地で、
シワになりづらくキレイに仕上げることができます。
生地にほどよいハリと厚みもあり、
バッグを開けた時にもしっかりしていて耐久性も高め。
色のバリエーションも豊富で、水通し不要で使える便利さも魅力です。
オックス
オックスは厚めで縫いやすい、万能な生地。
丈夫で繰り返しの洗濯にも耐えられる上に、使い勝手も良いため、
ハンドメイド作品に幅広く使われます。
布地が重なって厚みが出ると、ミシンで縫いにくくなる点がデメリット。
必ず水通しをしてから製作に入りましょう。
7.バッグの裏地を選ぶポイント
裏地の大切がわかったところで、いざ作ろうとなっても、種類がいろいろあるし、
素材だけでなく色の合わせ方もよくわからない…など、
どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。
悩んで無駄な時間を使わないために、
バッグの裏地を選ぶ際のポイントについてご説明しましょう。
基本的には薄めの生地を選ぶ
表地と裏地にはある程度、相性のようなものがありますが、
表地にしっかりした生地を選ぶのなら、
裏地は薄めのものを使うのが一般的。
表地も裏地も厚めの生地を選ぶと、
完成したバッグが重たいものになってしまうからです。
また、表地に薄めの生地を選ぶのであれば、裏地は厚めでも問題ありません。
表地と裏地を重ねた時の馴染み具合や、
折ったり引っ張ったりした時に同じように動くかどうかチェックするのも、
失敗を防ぐコツですよ。
表地の柄に合わせて選ぶ
素材や織り方が決まったら、次は色です。表地に柄物の生地を使う場合、
裏地には無地かシンプルな柄がおすすめです。
表地も裏地も柄を使うと落ち着かない感じになりやすいため、
表地の柄で一番多く使われている色を選びましょう。
また、全体の印象が決まる表地の柄を決めてから裏地を選ぶようにすれば、
比較的すんなりと決められるはず。
外側の生地と裏地で色を変えるといった、
遊び心あふれるアレンジもおすすめですよ。
8.生地を購入する際の注意点
現在ではネットでも生地を扱うお店が多いですよね。
お店選びにもさまざまな選択肢があると思いますので、
生地を購入する際に注意していただきたい点ご紹介いたします。
生地の幅と長さ
恐らく、ほとんどの生地は幅が決まっていて、
長さのみを指定する場合が多いかと思います。
まずは、製作するものにどれだけの幅が必要か確認しましょう。
また、柄の入った生地を採寸ピッタリで購入してしまうと、
縫製後に柄がずれてしまうことも…。
ある程度調整がきくよう、長めに購入するのがおすすめです。
どれだけ収縮するか
天然素材を使った生地は、水を通すと縮みやすいのが特徴です。
使用する前の水通しでどれだけ縮む可能性があるのかチェックし、
余裕をもって選んでくださいね。
どこで購入するか
店舗
やはり生地は目で確かめるのが一番安心ですよね。
その場で生地感を確認できるのが最大のメリットです。
また、専門店ですと知識豊富な店員さんに相談もできます。
ただ、珍しい生地だと取扱店が少なかったり、
たくさん購入すると素材によっては持ち運びが大変だったりなど、
直接足を運ぶからこそのデメリットも発生します。
通販サイト
通販で購入するメリットは、
ずばり“いつでもどこでも多くの種類から選べること“です。
同じ生地で価格の比較などがしやすいのが魅力ですが、
実際の生地感を確認できないので手元に届くまで不安ですよね。
通販でも事前に生地感を確認したい場合は、
サンプルがあるかどうか確認してみましょう。
サンプルがあっても料金がかかるケースもあるので、
合わせてチェックしてくださいね。
9.まとめ:ご紹介した生地の種類一覧
- シーチング
- ブロード
- オックスフォード
- キャンバス・帆布
- カツラギ(葛城)
- デニム
- ローン
- タイプライター
- キルティング
- ダンガリー
- コーデュラナイロン
- チノクロス
- ウェザークロス
- ヘリンボーン
- ジャガード
- タフタ
- PVC(ラミネート)
- シャンブレー
- サッカー(しじら織り)
- コーデュロイ(コール天)
- フランネル
本記事では、バッグ作りの際のおすすめの生地と種類、裏地選びのポイントについてご紹介しました。
生地には色や柄だけでなく、
素材や織り方の違いなどさまざまな種類があって、選ぶのも一苦労ですよね。
生地によって特徴も大きく変わってくるので、
用途やシーンに合わせて生地を選んでみてくださいね!
この記事を監修してくれた「トートバッグ博士」
山本 禎久(やまもと よしひさ)
株式会社エーリンクサービス 代表取締役
昭和48年生まれ 福井県越前市出身
趣味は山登りとゴルフ、好きなトートバッグのカタチは「船底クラシックトートバッグ」。
スピードと挑戦を求め続け、社内で誰よりもトートバッグに見識がある。
大阪学院大学を卒業後、営業、物流、製造業務など多くの職種に従事。退職後、2009年に販促バッグ等の製造、輸入、販売を手掛ける株式会社エーリンクサービスを設立。『考える価値創造集団』を経営理念に掲げ、従業員一人ひとりが積極的に考え、行動することでトートバッグ専門店としての新サービスを企画・発信し続けている。
関連コラム
-
帆布(はんぷ)やキャンバスとはどんな生地?号数・オンスや製造方法などを解説!
帆布(はんぷ)やキャンバスとはどんな生地?号数・オンスや製造方法などを解説!
「帆布とキャンバスって何が違うの?」「ダックって何?」「どうやって作るの?」「どんな加工ができるの?」「号もオンスもよくわからない!」…そんなあなたの知りたい情報をすべてお届けします。オリジナルのトートバッグを注文するときに役立つ内容も盛りだくさんです!
-
ナイロンとポリエステルの違いって何?素材の特徴やお手入れ方法まで詳しく解説
ナイロンとポリエステルの違いって何?素材の特徴やお手入れ方法まで詳しく解説
衣類やバッグで、よく目にするポリエステルとナイロン。それぞれの素材には、どんな特徴があって、どんな違いがあるのでしょうか。素材の歴史や用途も交えながら詳しくご紹介します。
-
CORDURA(コーデュラ)とは、どんな素材?特徴やお手入れ方法まで解説
CORDURA(コーデュラ)とは、どんな素材?特徴やお手入れ方法まで解説
バッグなどで多く見られる「CORDURA(コーデュラ)」のタグ。一体どんな特徴のある素材なのでしょうか。バリスティックナイロンとの違い、お手入れ方法などについて解説していきます。
-
コーデュロイとは、どんな素材?特徴や製造工程、洗濯方法まで解説
コーデュロイとは、どんな素材?特徴や製造工程、洗濯方法まで解説
秋冬の定番素材である「コーデュロイ」ですが、どんな特徴があり、どうやって作られているのでしょうか。似ている素材との違いや洗濯方法も詳しく解説します。